2012年07月16日

フンデルトヴァッサー「窓の権利」

madonokenri.jpg
感性と社会という本を読んでいたら舞洲のごみ焼却場の写真が出てきました。

と思ったら

ウィーンにあるゴミ焼却施設でした。
ごみ焼却場からゴミ焼却施設に一気に格上げとなりました。(言い方だけですけど。。)

ご存知でないかたに簡単に説明すると大阪オリンピックを誘致するために埋め立てられた舞洲という場所にあるオーストラリア人画家フンデルトヴァッサーが構想したゴミ焼却施設と間違えたのでした。(説明ナガ!ふらふら

大阪で建設された当時から税金の無駄遣いだ〜

などという批判的な意見が渦巻いていて
僕も何度か前を車で通り過ぎたことがあったのですが、
まったく芸術的な価値を見出せずにいました。

芸術作品をどうとらえようとそれは見るものの勝手なのかも
しれませんが、たまたま開いた本に彼のことが詳しく書かれて
いたというのも何かの縁だと思って読み進めました。

彼は画家で世界的に有名になっただけでなく
「建築の医者」という肩書きを持つほどに
建築の分野でも活躍されたようです。

今回、ブログで紹介しようと決めたのは
タイトルにある「窓の権利」についての
考え方に共感したからです。

彼は1928年に生まれ、2000年に71歳でなくなりました。
ちなみに舞洲の焼却場の完成は2001年です。

当時は機能を重視した合理的主義を最優先にした建築物の時代でした。
そんな時に彼は窒息しかかっている直感と感性の開放を唱えたそうです。

彼の思想は晩年どんどん集約されていき、活動そのものはさらに広がって
社会環境や自然環境へと向かい、自然と調和のある生活環境の実現に
向けられたようです。

窓の権利とは、規格化され量産された窓に象徴する全体主義的な発想が
本来創造的なことを好む人間から個性を排除する有害なものとして
捉え、自由な発想を窓から主張しなければいけないというものです。

窓は内と外をつなぐものであって室内からは外の空気をとらえ、
外の通行人からはそこに住む人の存在を確認できるものです。

それがどの家も均一であるとしたらそこに住む人から個別性を
剥ぎ取り、匿名化までしていまうと考えています。

彼は均一化された窓は「強制収容所の特徴」だとも断言していて、
本来はそこに住む人が主張できるものでなければならないと言っています。

そのためには、大きさ、形状、凹凸、色などを通して
自らの存在を外部に向けて示すことができなければならない。

と考えた結果

あのようなデザインとなったわけです。

僕がどうして彼の思想に共感したかというと
当時の建築物と今の僕たちの正しいと思っていることが
似ているなと思ったからです。

別に窓の形なんてどうだっていいと思っています。

彼の考え方で言えば服だって袖の開口部も
均一なのはおかしいなんて言い出すかもしれません。

それよりも

建築物に限らず機能主義や合理主義で
発展してきた経済が破綻した社会で
なおも規格化された窓の中で
もがき苦しんでいる人たちが多いのではないかと
思ったわけです。

何度も言いますが、
建築物のことを言っているわけではありません。

これまでよしとしてきた
考え方が直線的で機能だけを追及してきたのでは
ないかということです。

これからの社会は個人が創造性を持って
最大限アピールしていかなければ生き残れないと
考えています。

ネットの社会では自由に個性を表現することが可能です。

今これをご覧のかたの7割ぐらいはwindowsだと思います。
駄洒落を言いたくてわざわざ長々と書いてきたわけではないですが、

目の前の「窓」をどう表現するために利用するのか

これからの時代はそれにいち早く気付いた人が
人間らしい暮らしを手に入れる道の先頭を歩いていくのかもしれません。

今度あのゴミ焼却施設の前を通るまでには
規格化された窓を壊すぐらいの勢いで
表現できるようになっていたいと思います。

本日のおまけ動画
夜のゴミ焼却場



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posted by 時間プランナー at 13:54| Comment(0) | 日々の営業での気づき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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